オレオレ詐欺

じいじ

ばあばは非常に用心深い。
電話に出る時も
ものすごーく感じの悪い低い声で
「はい」
とだけ言う。

ばあばがまだ少し若かったときには
変な電話がかかってきたり
怪しい訪問販売が来たときには
すぐにサンダルを引っ掛けて
うちまですっ飛んで知らせに来た。
「おかめ、気をつけなよ!!」

一方じいじは真逆で
めっぽうお人好し
一度、玄関で捺印しようとハンコを探しに行ってる間にばあばが帰ってきて
ギリギリセーフで事なきを得た。

じいじは耳が悪くて電話には出ないし
ばあばは用心深い。
オレオレ詐欺には引っかからないだろうと
タカをくくっていた。

ところがだ!!!
やっぱりばあばも人の親、
そしてだんだんと歳を重ねて判断力も鈍り

息子を名乗るどちらさんかわからない
「オレ」にまんまと騙されてしまった。

·····
ばあばは「オレ」からの電話を切ると
すぐにじいじに相談をした。

さて、2人は息子かわいさ一心で
じいじがコツコツと貯めていた
諭吉様を何とも無造作に紙袋につっこみ、
指定された近所のドラッグストアまで
2人のシルバーカー部隊は向かった。

粘り強い2人のことだ。
ドラッグストアの前で数時間
受け取りにくるのを
ひたすら待ち続けた·····

ところが待てど暮らせど
一向に受け取りに来ない。

日も暮れてきたころ
とうとう2人はあきらめて
家まで帰ってきた。

シルバーカー部隊が
やれやれと家の玄関を開けて入ろうとしたちょうどその時、
おしゃもじくんがやって来た。

無造作に紙袋に入れられた
諭吉様たちを見て
おしゃもじくんはおったまげた!!

2人に事情を聞いて
じじばばはこっぴどく叱られた。
·····(◞‸◟)(◞‸◟)

危ない危ない(´・ω・`Ⅲ)
危機一髪だった。

それからじいじが引き出しに
貯めてあったお金はおしゃもじくんに
預けられることとなった。
それからは最低限必要な分だけの
お小遣い制になってしまった。

「オレ」なぜ受け取りに来なかったのかは
分からない。
じじばばが待っていたのが店の入口で
人の出入りが結構あったからかもしれない。

あの用心深いばあばが騙されるとは!
ばあばの老いを感じた一件だった。

それにしても·····
そんな大金が眠っていたとは!!
オレオレ詐欺に騙されたことより
もっと驚きだ∑(๑ºдº๑)!!

お金は自分だけの懐に
眠らせておいてはいけない。
お金も水も動かないとよどむ。
流れのない水は腐るし、
ため込むだけのお金は執着になる。

やっぱり「ありがとう」の気持ちと共に
気持ちよく使わないと♫

「ほらっ、こんなに近くに、もらって喜ぶ人がいるのにねぇー」σ(・ω・`)
そうおしゃもじくんに言ったら
「家庭内オレオレ詐欺だ」と言われた。
( ᐛ )σソレナ!

とにかく「オレ」を喜ばせなくてよかったε-(´∀`*)
危ない危ない(××)

今日はここまで
またねーーー(^_^)/~~

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